「G1」〜『BM』に関する補足

パーソナリティ・コンポーネントとは
「パーソナリティ・コンポーネント」についてですが、これはTFの魂であるスパークとは"異なるもの"と思われます。パーソナリティ・コンポーネントとは、恐らくTFのスパークや人格情報、記憶等を"停滞固定・保存"したもので、この技術は刑務所に犯罪者を投獄する際や、宇宙航行の際にもスペースのセーブなどに利用されていたと考えられます。また、この発光する小型のキューブには"既存の機械をTFのボディに改造するようプログラムされた"ナノマシンも封入されていたと思われます。スタースクリームが第二次大戦時の兵器の残骸にパーソナリティ・コンポーネントをセットしたことで、"兵器がTFのボディに変化した"のは。なお、役目を終えたナノマシンは、TFのボディの一部になると思われます。

このパーソナル・コンポーネント技術は、TF自身が編み出したものと思われます。これは、ベクター・シグマから「抽出した直後の」スパークを凍結・保存することもできたと考えられ、ダイノボットやテックボットの誕生にもこれが使用されたのでしょう。

また、サンドストームは「祖先達が」第四次大戦の時セイバートロン星を旅立ち、惑星パラドロンに辿り着いたと言っているため、彼はパラドロンで生まれたTFと考えられます。しかし、ロボットに生命を宿すことができるベクター・シグマはセイバートロン星にしか存在しません。恐らく、サンドストームの祖先達は宇宙船に大量のパーソナル・コンポーネントを積んでいたのでしょう。で、安住の地を手に入れた彼らは、そのコンポーネントで、「子孫(サンドストーム)達」を生み出したのだと思われます。


プロトフォームの定義
今回「プロトフォーム」について紹介しましたが、今度公開される実写映画でも、プロトフォームと呼ばれる形態が登場するらしいですね。詳しいことはまだ分かりませんが、映画ではサイバトロン星での姿をプロトフォーム("原初形態"の意)と言っているような気が…。オリジナルの海外版でも"プロトフォーム"なのか気になりますが、サイバトロン星での姿なら、「サイバトロン・フォーム」の方が適切だと思います。サイバトロン・モードと言う人もいますが、変形形態の「〜モード」と区別するため、「〜フォーム」の方が良いような気がします(サイバトロン・モードだと、『ギャラクシーフォース』に登場したプライマスの惑星形態みたいだし)。

トランスメタル2は何人?
『BW』のアニメに登場した「トランスメタル2」は、ダイノボットとチートア、ブラックアラクニアの3人だけと思われます。ドラゴン・メガトロンとタイガーホークは、トイではトランスメタル2のカテゴリーで発売されていますが、少なくともアニメでは、トランスメタル2ではないようです。メガトロンはオプティマス同様、"初代メガトロンのスパークと自らのスパークを融合"させたことによって変異したもので、タイガーホークは、ヴォックによって"タイガトロンとエアレイザーのボディを物質的に融合"させたものとなっています。どちらもトランスメタル2の誕生に必要な「トランスメタル・ドライバー」は関与していません(タイガーホークに関しては、ヴォックの手によるものなので、トランスメタル2同様"エイリアン度"高いですが)。


トランスフォーマー」のタイトルロゴって、よく見ると(ロボットらしく?)オイルが波打ってるんですね。で調べてみたら、日本の『1st』〜『Z』まではこのオイルがプカプカしてるロゴなんですが、最近のマイ伝なんかでは、単に青、白、赤のグラデーションって感じになってました(よく見ると波打ってるような気もしますが、オイルっぽくないです)。まぁ、マイ伝とかのもこれはこれで良いんですけどね(笑)。あと、実写映画の金属質のタイトルロゴもカッコ良くて好きだったりします。

銀河の守護者
2001年宇宙の旅』は、スタンリー・キューブリック監督のSF映画として有名ですが、"除草"というのは、アーサー・C・クラークによる小説版の方に出てきます。「機械生命」といった言葉も出てくるので、何となくTFに通ずるものがあるような…(考えすぎ)。面白いので、興味のある方は是非読んでみてください。


暦について
日本のG1シリーズに登場する「地球暦」とは、「西暦」と同義と思われます(海外では「地球歴」という用語は使われていません)。これは、TFの物語が宇宙の様々な場所で展開するため、"視聴者に分かりやすいよう"配慮し、地球の暦を"基準"として使用しているものと考えられます。ところで、サイバトロン星には「暦」はあるのでしょうかね?一応西暦2300年頃のサイバトロン星は、1年が約400日で、1日は約20時間に相当するらしいですけど。でも、かなりの長い期間一つの恒星系に留まらない放浪惑星だったので、1年や1日といった概念も曖昧だったかもしれませんが…?


マキシマルの武器
オプティマス達は宇宙探査隊であり、軍人ではないと書きましたが(パックス・セイバートロニアを達成した平和なセイバートロン星では、ほとんどのTFが「軍に属していない」ようです)、そんな彼らが持っている「武器」について考えてみたいと思います。彼らが装備している武器ですが、これは敵を攻撃するための物というより、「自らの身を守るための物」という意味合いが強いと思います。つまり、どんな危険があるか分からない未知の惑星などで、自らを守るため、武装していたと考えられます。


「G2トランスフォーマー」について
G2TFについての補足です。G2TFとは、デストロン達の発見した自己分裂による「バイオモーフィック増殖」の原理によって、誕生・増殖したTF勢力です(つまり、本質的にはデストロンと思われます)。彼らは自分達こそが「次世代の」TFだと信じており、ここから「G2(第2世代)TF」という名前がきています(彼ら自身がG2TFと名乗っており、ある意味「思い込み」なのでしょうか?)。このG2TF勢力のリーダーであるジアクサスが、いかにも「暴君」って感じでキャラ的に素晴らしく、個人的に大好きです(最後の台詞とか・笑)。しかもめちゃくちゃ強いし。スウォームがこなかったらコンボイ確実に負けてたと思うのですが…(汗)


リーダーと総司令官
「種族のリーダー(指導者)」と「総司令官」は必ずしもイコールではないと思います。オプティマスプライムの場合は、オートボット種族のリーダーでもあり、軍の総司令官でもあったわけですが、それ以前のオートボット・リーダーの時代は軍組織がなかったと考えられるので、彼らは総司令官の肩書きを持っていなかったと思われます。またパックス・サイバトロニアの時代も、平和なため、リーダーが総司令官であるかは少々疑問のある所です(やっぱこの時代も、オートボット種族のリーダーはオプティマスなのかな?)。ちなみに、マトリクスを持つことができるのは、「オートボット種族のリーダー」だからで、「総司令官」だからではありません。


最高評議会のメンバー
サイバトロン星の最高評議会の主要メンバーとして、オプティマスプライムは活躍してるらしいですが、他のメンバーは誰がいるんでしょうね?恐らく、ウルトラマグナスあたりも主要構成員だと思うのですが(有能なので)。あと、サウンドウェーブもメンバーの一人だったらいいなぁなんて思ってます。サイバトロンとデストロン、マキシマルとプレダコン入り混じって、かつては敵同士だった者達が、サイバトロン社会のため議論を行う。そんな様子をイメージすると、物語の世界観が広がる感じがします。『BW』のストーリーエディター、ラリー・ディティリオ氏の「我々は、私達のヒーローや敵役達を、"終わりのない戦争"という過去の設定から少し成長させたかったのです」という言葉には、個人的にかなり感動しました。


ビーストマシーンズの意味
個人的に「ビーストウォーズ リターンズ」というタイトルはあまり好きではありません。理由は、"作品の内容と合っていないから"です(劇中では、ビーストウォーズという戦争は"過去の出来事"として描かれています。『BM』の戦いに名前を付けるなら「テクノオーガニック戦争」でしょうか)。また、オリジナルのタイトルが本編と非常にマッチしているのも理由の一つです。「ビーストマシーンズ(獣の性質を持った機械達)」とは、テクノオーガニックTFであるマキシマル達のことですが、純粋機械の身体を望みながら、怒りなどの感情に支配されているメガトロンも、哀れな「ビーストマシーン」と言えます。その他、"ビーストTFとマシーンTFの戦い"という意味や、"有機対無機"という作品のテーマにも非常に密接に繋がっています。タイトルは安易に変えないでほしいです…

テクノオーガニックについて
最後に、『ビーストマシーンズ』関連ですが、ポーランドのSF作家スタニスワフ・レムの言葉にちょっと興味深いものがあったので紹介します。

「思うに──どうやら、わたしの味方はあまりいないようだが──生物発生の過程で自然が創りだしたテクノロジーをマスターすれば、メカニックな革命(機械の時代)はもとより、知性的な革命(コンピュータの時代)をもしのぐグローバルな進化を導き出すことができ、生物圏と安定した共存ができる「テクノ生物圏」が生まれるだろう」(SFマガジン2004年1月号に掲載された「スタニスワフ・レム語録」より引用)

「テクノ生物圏」とは、「テクノオーガニック」のようなものでしょうか…。『ビーストマシーンズ』の"有機と無機の究極的融合(共存)"というアイデアは、ここから…なワケないか(苦笑)。なお、レムは『砂漠の惑星』といった作品でサイバネティックスな機械知性を登場させており、TFファンにもお勧めです。


マルチバース
ちなみに、最近の宇宙論や物理学の世界では、「マルチバース(多宇宙)」という概念があるらしいです(SFじゃなく、現実に真面目に考えられているようです。ホントすげぇな!・笑)。TFの物語はまさにこれですね。このあたりの参考として『パラレルワールド―11次元の宇宙から超空間へ』という本が出てます。私は図書館で借りて少し読んだだけですが、結構面白く読めました。


あと、個人的に「トランスフォーマー」には、「変形能力を持つ者」だけでなく、「変化するもの」という意味もあるのでは、と最近思ってます。例えば、『BM』でテクノオーガニック・プラネットへとリフォーマットしたセイバートロン星や、『マイクロン伝説』で英雄となったスタースクリームとか。それが良い方にであれ、悪い方にであれ、TFの物語は「変化」を描いているのではと思いました。