「オールスパーク」について

オールスパークに関しての個人的なまとめです。とにかく壮大な世界観ですが、かなり魅力を感じる設定でもあります。このあたりは、TFシリーズの"スケールの大きさ"を素直に楽しめばいいと思います。


概要
オールスパークとは、TFの"死後の世界(あの世)"や"天国"といったものに喩えられる存在です。その本質は、TFの魂(これも喩え)であるスパークが一つになったもので、そこから"魂の集合体(総体)"などとも表現されます。それが存在するのは銀河系宇宙の精神的階層で、その外観は、名前の通りスパークが寄り集まったかのような姿です。『ビーストマシーンズ』では、伝説のコンピューター・「オラクル」にアクセスしたオプティマスプライマルの中枢意識の前に度々現れています。


流転するスパーク
TFの魂・スパークは、輪廻転生のように、オールスパークと物質世界の間を巡っています。オールスパークから分離した1個のスパークは、「ベクターシグマ」や「マトリクス」、「ピット」を通り、物質世界に出現。そして、ロボットのボディに宿ることで、TFとして誕生します(下の図を参照)。

ベクターシグマからは、オートボットディセプティコンのスパークが、エネルギーに乗せられ送り出されます。また、マトリクスからはマキシマルの、ピットからはプレダコンのスパークが、プロトフォームに組み込まれ搬出されます。なお、ここで言う「マトリクス」はマキシマル・プロトフォームの創造施設であり、オートボットの「指揮権のマトリクス」とは別物です。


すべてがひとつになるところ
TFが死ぬと、そのスパークは宇宙の精神的階層にあるオールスパークへと帰還し、再びそれと一つになります(オールスパークと融合すると、個としての存在は維持されないものと思われますが、人格や意識の再構築は可能かもしれません)。その時、"TFとして過ごした経験や知識"などは、オールスパーク全体に影響(変化)を与え、そして"新たに生まれるスパーク"にも影響を及ぼします。このように、この"巡り巡る魂のループ"は、決して"固定したもの"ではなく、ずっと"動的なもの"であり、少しずつ変化(進化?)しているのです。『ビーストマシーンズ』最終話によると、オールスパークをより良くするには、"TF個人個人が重要"と言われています。

『BW』では、エアレイザー誕生の際、チートアが見たビジョンの中でライノックスが「スパークの目覚める所、大いなる喜びあり。一つが消える時、宇宙は悲しみにくれる」と語っています。この場面は、TFの"深層心理下の繋がり"を意味し、オールスパークの存在を示唆しています。

もう一つ、『BW』でエイリアンの惑星破壊装置によって破壊されたオプティマスを救うため、自らの中枢意識をトランスワープ・スペースに投入したライノックスが、そこから帰還した際、「どこ行ってたんだ?」と問うラットラップに対し、彼は「全てが一つになるところ…」と答えています。これも、"全てのスパークが一つになったもの=オールスパーク"のことを指します。


スパークの性質
オートボットディセプティコン、マキシマルとプレダコンのスパークは、オールスパークから来るという点では共通しています。しかし、それらのスパークは、それぞれ微妙に異なった性質を持っているようです。オールスパークは善悪両方の性質を持っており、大まかに言えば、オートボットとマキシマルは善の、ディセプティコンとプレダコンは悪の性質を持ったスパークを宿しています。とはいえ、それはあくまで種族の性質であり、単純に言うことはできません。スパークの善悪は天秤のようなもので、TFの境遇や生き方によって、善にも悪にも傾きうるようです。


G1TFとプロトフォームTFの違い
スパークの出自が同じとはいえ、「G1TF」(オートボットディセプティコン)と「プロトフォームTF」(マキシマルとプレダコン)は、種族的には全く異なる存在と言えます。G1TFは、TF自身やクインテッサンの手で造られたボディですが、プロトフォームTFは、エイリアン・ヴォック(オールスパーク?)の創造するTFの原初形態・プロトフォームに、有機生命体のDNAデータが取り込まれることで誕生するため、非常に有機的・生物的です。プロトフォームTFはG1TFよりもかなり小型で、G1TFでは不可能だった有機生命体への変形が可能となっています。


精神的階層
オールスパークが存在するのは、宇宙の「精神的階層」や「アストラル界(Astral Plane)」などと呼ばれる場所です。それは恐らく、心や思考といった、"目に見えないもの"が存在する場所、と私は勝手にイメージしています(笑)。そこにあるのは、非物質的なエネルギーのような存在であり、この精神的階層とは、超空間・「トランスワープ・スペース」や「ヴォック・ネビュラ」などと同様のものと思われます。


ちなみに、プロトフォームTFのボディは「ナナイト」と呼ばれる、細胞よりも遥かに小さな微小機械群によって構成されています。これはクォンタム・サージやG1TFのスパークの融合などによって、TFのボディが変異する現象の根源でもあります(ナナイト構造の変化によって、彼らの身体は変異します)。


一方のG1TFですが、彼らのボディもまた、ナナイトによって構成されていると考えられます。彼らが変形形態を変更する際などに、ボディの構造などが変化するのは、彼らの身体(装甲や回路、様々な部品類)が微小機械(いわゆるナノマシン)によって構成されているからと思われます。TFやクインテッサ星人の技術レベルなら、この程度のナノテクノロジーを有していても全然不思議ではありませんし(ヴォックのプロトフォームTFのボディに比べると若干精度は低いかもしれませんが)。